人に認めてもらえないのはなぜか?
「あなたはもっと世に出ていくべきだ!」
北陸で治療院を開く相談者のYさんは、来院されたお客さんにそう褒められました。しかも一人だけでなく、数人に立て続けに言われたとのこと。今までそんなことは一度もなく、マインドレコーディングの効果が表れているようです。
そのことについてYさんは「ありがたくその様なお言葉を頂いたその時…自分は人に認めてもらいたかったんだなぁ…自分は人に受け容れてもらいたかったんだなぁ…」と私に話してくれました。
人に認めてもらえない。人に受け入れてもらえない。そうした苦しみは、能力が原因とは限りません。そもそも認めてもらいたいのは自分自身でしょうか、それとも自分の能力でしょうか。答えはもちろん自分自身のはずです。
技術や知識ではなく、自分自身を出せるようになる
ところが私たちは往々にしてそのフォーカスを誤り、自分を出しているつもりが、自分の技術や知識や実績を見せびらかすだけになってしまっていがちです。これだと相手も技術や知識を褒めるしかありません。だからどれだけ賞賛されても、自分が褒められている気がしません。実際にYさんは「今までどんな事やっても、勉強しても何だか飽き足りない感じがしていた」そうです。
能力や技術ではなく、自分自身を認められるためには、自分を出さなくてはなりません。そして、自分を出すためには、まず自分を知らなくてはなりません。誰かに認めてもらう前に、まず自分で自分を認める。これこそが自己啓発であり、マインドレコーディングの目的です。
マインドレコーディングでは自分の日々の思考から信念を特定していきます。やること自体はシンプルで毎日の出来事について、自分の思考や感情を記録していくだけです。ただシンプル過ぎて一人だとやらなくなるので、その実践の場として個人相談サービスをご提供しています。
マインドレコーディングは人間関係に関して特に効果的です。自己と他者は一枚のコインの表裏です。自己がわかれば、他者もわかるようになります。これは家庭や職場といった特定の環境、また「親と子」や「上司と部下」といった特定の役割から解決策を考える一般的なアプローチとは全く異なります。
人間関係の特効薬
その効果はほとんど魔法のようなものです。自分は一人ですが、他者は60億人います。たった一人を理解するだけで、究極的にはすべての人間を理解できるようになる。そうした本質に基づいているからこそ、Yさんは立て続けに褒められるようになったのです。
また、そうなった時は今までなぜいくら頑張っても報われなかったのか、その理由もわかるようになります。Yさんは「認めてもらえない、受け容れてもらえない…だから『自分は欠点ばかりだ』って自暴自棄な自己嫌悪ばかりしてた」そうです。こうした反省には謙虚さがあります。それは自己とともに他者を認めるようになったからに他なりません。
自己啓発というと自分の目標や幸福を追求するイメージがありますが、それは誤解です。逆にどんなに専門的な知識や技能を身につけても自分と他者の関係性、つまり人間性を学ばなくては満たされることはありません。
今はどんなことでも物事を論理的に捉えて解決しようとします。しかし、もしそういった正しさが何ももたらしてくれないと気づいたのなら、ぜひ人間心理を学んでみて下さい。今まで経験した理不尽に隠されたメカニズムを認識し、そして克服できるようになります。