理想の部屋づくり。大切なのはコンセプト。

部屋

新潟市の海沿いにヨガスタジオが併設されたベジタブルレストランがあります。ビュッフェ形式かつ時間制、食べ終わった後はチャイティーで一服できる、そんなゆったりとした雰囲気のお店でした。

しかしこのお店が去年、改装したところその雰囲気が失われてしまいました。たとえまだ時間内だとしても、食べ終わったら店を出なければいけない、そんなせかされるような空気があって、あまり長居できなくなりました。

その変化の理由はもちろん改装にあります。私が気づいた変化は大きく二点でした。テーブルに番号札が貼られたのと、ヨガ雑誌が並んでいたチェストの撤去です。

お客さんを番号で管理するのはファミレスやマクドナルドなどファストフードの手法です。お店としては効率的ですが、その分だけホスピタリティは失われます。実際、高級レストランや高級ホテルはこのようなやり方はしません。

改装前に雑誌があったのは、「ここは食後も雑誌を読んだりしてゆっくりしてもよい」というメッセージになっていました。反対にそれを撤去するのは「食べたらすぐに帰ってほしい」というメッセージになります。「ゆっくり時間を過ごすカフェ」ではなくて、「食事をするためのレストラン」とお店がコンセプトを変更した結果です。まず人間の意識があって、現実はそれに従います。

もちろんこうした変化が「悪いこと」だとは言いません。ただ回転や効率を重視したビジネスライクなお店に変わっただけです。しかし、開店前のゆったりとした雰囲気が好きだった人は寄り付かなくなるでしょう。「目は口ほどに物を言う」と言いますが、同時に「目は耳ほどに物を聞く」のです。だから子は親の背中を見て育ちます。

私は改装前から何年もこの店に通っていましたが、置かれている雑誌を読む人はほとんどいませんでした。じゃあ、意味がなかったのかというと、そうではありません。改装後は明らかに、それまでゆっくり時間を過ごしていたお客さん達がさっと店を出るようになりました。人間は私たちが考えているよりもずっと繊細で敏感です。家具や物を「使うか」ではなく、ただ「置いてあるだけ」あるいは「置いてあったものがなくなるだけ」でメッセージになります。

雰囲気というと「曖昧なもの」「なんとなくで決まるもの」と聞こえるかもしれません。しかし、実際は建物、家具、物の印象の厳密な組み合わせで決まっています。そして一流であればあるほど、自分自身のコンセプトを明確に理解して、それを反映した立地、家具、雑貨を選んで空間を演出します。

これはお店だけに限りません。自宅や自室にどんな家具や雑貨を、どんなレイアウトで置くか、それが自分自身の生活そのものを変化させます。仕事道具が多ければ仕事重視、遊び道具が多ければ趣味や娯楽重視の生活になります。

「自宅よりもカフェの方が仕事が捗る」と言って、スタバなどにノートPCを持ち込んで働く人がいます。以前は私もそう考えていました。しかし、自分の生き方を明確にして、それを環境に反映させたら、自宅の方がずっと捗るようになりました。時には「このアイディアはこの部屋でしか思いつかなかった」と感じる瞬間さえあります。アイディアは環境の刺激から生まれます。自分が自分のために作った、特別な空間がそれを可能にします。

自己啓発では「掃除」や「片付け」が重視されます。決して間違いではありませんが、それではまだ片手落ちです。部屋が片付いた後は、自分の美意識で部屋を飾る段階があります。でないと寒々しい部屋でスマホやタブレットをいじるつまらないミニマリストになるだけです。

本当のミニマリストは尊敬に値します。なぜなら、その人は自分の道を歩んでいるからです。しかし、彼は生きるために必要最低限の行動しか取らないので、その存在を誰かに知られることはありません。パソコンやスマホで情報収集と自己主張をしつつ、物理的環境だけそれっぽくして自慢する。そうした気取りは後で恥ずかしくなるだけです。

ミニマリストが良いか悪いという議論は不毛です。良いミニマリストと、悪いミニマリストがいるだけです。そして良いミニマリストと、良いインテリアコーディネーターが出会って話せば、その二人はきっと意気投合できるでしょう。そぎ落とす生活か飾り立てる生活か、たとえ登っている山が違っても、登った高みが同じであれば、人は理解しあえます。「ミニマリストがいい」とか「ミニマリストを目指す」とか「ミニマリストになりたい」というのは単なるファッション、イデオロギーに過ぎません。

私たちに必要なのは「良いもの」ではなく、「相応しいもの」です。極端な例ですが、たとえムンクの「叫び」がどんなに名画だとしても、リビングに飾りたいとは思わないでしょう。床、壁、天井を自分好みにどう飾り付けるか。その当たり前から始まって、研ぎ澄ました先に「自分だけの特別な空間」と、そこから生まれるアイディアがあります。こういったことを可能にするのが感性です。

自分が目指している方向性を自覚していなければ、そういった環境も生活も作り出せません。このレベルで考える時、「暖色系だと落ち着いた雰囲気になる」といった知識と肩書きだけのインテリアコーディネーターは役に立ちません。本物は知識と感性を総動員して、こちらの感性を見極めて、それを反映してくれます。

ただ、そういった人物に出会えるのは極めて稀です。というよりも自分が社会的、経済的成功を収めてから会う場合が大半です。やはりまずは自分の感性を磨いて、その中で結果を出すしかありません。その時、インテリアを勉強する必要はありません。自分の感性を磨きこれに従えば、自分にとって理想の環境に近づいていきます。インテリアを勉強するのは、それを仕事にしようとしている人だけで十分です。本当に必要なのは自己啓発です。

いま部屋にあるものを何か一つ手にとってみてください。あなたはそこにどんなメッセージを込めているでしょうか。雑誌があれば、それは「その雑誌を読んでいい。そうやって時間を使っていい」という自分に対するメッセージです。雑誌が処分すれば、それは「そういう時間の使い方はしない」というメッセージになります。

それ自体に良いも悪いもありません。ただ自分が目指している方向性、コンセプトにマッチしているかどうかです。もしマッチしていないなら処分して、部屋に余裕を作るか、何か新しいものを取り入れましょう。コンセプトの反映、取捨選択の積み重ねで理想の部屋、理想の生活は作られていきます。

 

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