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挫折や失敗にアプローチする自己啓発「バイアスの解除」

投稿日:2018年3月26日 更新日:

先日、一度だけスカイプ相談を受けた大学生と、挨拶する機会がありました。私がニコニコ動画で公式チャンネルを持っていた頃なので、今から二年くらい前の話になります。

最初に「たぶん、覚えていらっしゃらないと思いますが」と前置きされましたが、私は彼のことを覚えていました。軽い挨拶などは別として、相談業として話した相手であれば、内容も含めて忘れることはありません。

その時、彼が相談してきた内容は「どうすればスタッフのモチベーションが上がるか」でした。大学である企画を運営していて、やる気のないスタッフに辟易していた様子でした。

しかし話を聞いていくと、その原因がスタッフのせいだけではないことが見えてきました。彼は自分で「ああすべき、こうすべき」と決めつけた上で、「他に意見はないか」と強要していたのです。そうした矛盾した行いに、時として人間は気づきません。

その時は珍しく説教のような話をしました。「あなた、周りのことを馬鹿だと思っているでしょう。周りはそれくらいのことわかっていますよ。『ああ、こいつは俺のこと馬鹿だと思ってるんだな』って。人間は優劣に関係なく、そういう空気を敏感に読み取るんです。その中で、あなたが本当にすべきことは何ですか。本当に変わらなくてはいけないのは誰ですか。モチベーションですか、スタッフですか」

この問いかけに彼は「自分です」と答えました。さらに「じゃあ、どうしてそういう振る舞いを周りにしてしまうんですか」と問いかけると、そこに彼の本心がありました。プライベートな内容なのでここでは明かせませんが、言える範囲でいうと、そこには「もう二度とあんな思いはしたくない」という思いがありました。

なぜこれが言える範囲なのかというと、「もう二度とあんな思いはしたくない」と思うような挫折や失敗は誰もが経験しているからです。「私は呼吸をしています」という発言が当たり前すぎて特別でないように、「もう二度とあんな思いはしたくない」という経験も特別なものではありません。

そうした悲しみや苦しみ、悩みや恐れは回避願望を生み出し、その人の行動を歪ませてしまいます。何もかも自分で決めておいて、相手に意見を募るのは矛盾した行為です。しかし回避願望があると、それがさも当たり前であるように思えてしまいます。そうして原因になる過去の出来事を、私は「バイアス」と呼んでいます。

このバイアスは誰かに話すことで、軽減されています。悲しみや苦しみ、悩みや恐れは、誰にも話せずに秘め続けるから、抱えきれないほど大きくなってしまいます。逆に誰かに話すことができれば、それを客観視して、本当の意味で「過去の出来事」として受け止められるようになります。

この「バイアスの解除」という過程を踏まないと、私たちは「自分が本当にやりたいこと」になかなかたどり着けません。どんな情報を仕入れても、またどんな行動をとっても、回避願望を満たすために使われてしまうからです。

そんなやり取りをスカイプで二年前にしたのですが、あれから彼は少し大人になっていました。ただその一方で、彼が望む自分になるには、もう少し時間が必要だとも感じました。

彼はまだ「心を折られること」を恐れています。一度心を折られたら、二度目を恐れるのは当たり前です。しかしその一方で、二度心を折られると、三度目は「ああ、またか」と平気になってきます。そうした経験する度に、人間は一回り成長していきます。

そういう意味では、人間の心は強くできています。自殺や過労死が起きるような、心が拒否反応を起こし、精神をすり減らすような環境は一刻も早く脱出すべきです。しかし、自分自身で「受けきる」と決めたのならば、たとえ意志を挫かれても、心の芯は折れずにむしろ強くなるのが人間です。

ただこのことはその場で口にはしませんでした。彼自身が「いろいろと経験して取り込んでいる最中」といった趣旨の話をしていたので、それを薄々わかっているのを感じたからです。

誰もが悩みを抱え、痛みを避けるようにして生きています。しかし、その一方で「ここはこらえる」と決めて、受け切るタイミングが来るのも人生です。「やりたいことをやる」というポジティブ面だけでなく、それを阻むネガティブな要因にアプローチするのも、自己啓発の一環です。

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