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人生を変える方法。「やったことのないこと」をやろう

投稿日:2018年4月25日 更新日:

私のクライアントにYasuさんという子育てアドバイザーがいます。ネグレクトや過干渉などいわゆる毒親のカウンセリングが専門ですが、それとは別に障害者支援も行なっており、滋賀県ボッチャ協会の事務局長でもあります。

そんな彼が先日、「好きなバンドのライブが見たい」という車椅子の青年Sさんに付き添って、東京にやってきました。健常者であれば「そんなのいくらでも行けばいいじゃん」で終わりですが、車椅子でしかも初めてとなるとそうもいきません。その付き添いをYasuさんは買って出たのです。

今回、Yasuさんは彼をライブだけでなく色々なところに連れて行きました。1日目の夜は新宿歌舞伎町。翌日は表参道、原宿、南青山、六本木、新宿、渋谷。そうして色々な街を回っていくと、Sさんの発言が変わっていったそうです。

「のらりくらりやってきた今までが嫌になってきた」
「ここにいれば変われるんやろうなぁ」
「俺たちは観光客や!帰るんや!」
「次、いつ来よう」

東京にはそういう魔力があります。東京駅の新幹線ホームに降り立つだけで、「自分はなんでもできるんだ」ということを思い出させてくれます。田舎者丸出しかもしれませんが、私自身、何度もそう奮い立たせてもらいました。私たちは街の雰囲気に影響を受けています。そして、その街の活気は人口に比例するのです。

一日目の夜、新宿歌舞伎町で、Sさんは「来れるんやな」と呟いたそうです。変化が始まるのは、こういう瞬間です。「来れるんやな」と呟くということは、実際にその場に立ってみるまで、「できないんじゃないか」「無理なんじゃないか」と考えていたということです。その固定観念が書き換えられた時、私たちは変わり始めます。

私たちの感覚を基準にすれば、「いや東京くらい来れるでしょ」と思うかもしれません。けれども、障害者を取り巻く環境は物理的にだけでなく精神的にも、想像を絶するような制約を受けています。その中で無力感に苛まれ、「できない」と考えるようになっても何もおかしくありません。

そして、それは私たちも変わりません。偉人や成功者は書籍やスピーチを通して、「人は変われる、なんでもできる」と常に鼓舞しています。しかし、私たちは「無理だ」「できない」「あの人たちは特別だ」と無力感が作り出す現状維持に留まり続けます。本当の問題は物理的な距離ではなく、心理的な距離にあります。滋賀から東京に限らず、「行けない」と思ったら、私たちはもうどこにも行けません。

人生を変える方法を教えます。それは「今までにやったことのないこと」をやることです。ある状態からある状態に移るには行動しかありません。それも単なる行動ではなく、未経験の行動です。今までと同じ行動を続ければ、同じ状況が続きます。今までと違う行動を取るから、違う状況が生まれます。「同じことを繰り返し行い、違う結果を期待するのは狂気だ」とアインシュタインは言いました。

しかし、私たちはそうした「行動」が必要な場面で「状況」について考えます。お金がない、恋人がいない、学歴がない、あれがない、これがない、そうしたものは全部状況です。その状況が自分にとって好ましくないならば、それを作り出した今までの行動を打ち切り、新しい行動をするしかありません。

Sさんにとっては、それが「東京に行くこと」だったのです。その時、そこにどんな心があったのか想像してみてください。それは勇気です。自分を取り巻く状況がどんなに悪かったとしても、人は未知に対して恐怖を抱きます。そして、「どんな目に会うかわからない。そんな恐怖を味わうくらいなら、ここにいる方がマシだ」と現状に留まってしまいます。彼はそこから一歩踏み出したのです。

車椅子の青年が東京に行くために覚悟を必要とした時、「いやそんなの誰でもできるでしょ」と考える人はそれがどれだけ冷酷な仕打ちなのかを理解していません。しかし、その代償を支払うのもまた、その人自身です。

お金がない時に「いやお金なんていくらでも稼げるでしょ」と、恋人がいない時に「いや恋人なんていくらでも作れるでしょ」と、学歴がなくて不自由した時に「いや大学なんていくらでも入れたでしょ」と、他人に言われて傷つく羽目になります。それは相手の言葉ではなく、自分が受け取る印象の結果です。そして、誰のどんな決意や覚悟も馬鹿にしない人間は、自分が人から馬鹿にされても平気でいられます。

勇気を出して現状から一歩踏み出す。それは足が動かなくてもできることであり、逆に足が動いてもできないことでもあります。なぜなら、それは心の問題だからです。一体どれだけの人間が何年も何十年も変わりたいと願いながら、変われずに苦しみ続けているのでしょうか。私たちは誰も他人を笑うことなどできません。いつだって人は心に生まれる恐怖に立ち向かい、それを乗り越える勇気を求められています。

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