人の心を動かすもの。子供時代の記憶。

想い

子供の時代に過ごした街、埼玉県坂戸市東坂戸団地に行ってきました。新潟から上京してきたのがおよそ2ヶ月前。「時間ができたらぜひ訪れてみたい」と思っていた念願がようやく叶いました。

私は幼い頃から父の仕事の都合で、あちこちと転勤を繰り返しました。東坂戸団地に住んでいたのは幼稚園の年長から小学校三年生までのたった四年間です。けれども、そこで過ごした日々を一番鮮やかに感じています。子供時代の記憶とはそういうものです。

現在の東坂戸は、広場に軒を連ねた個人商店もほとんど店を畳み、子供も減って老人が増え、あの頃の活気が嘘のように寂れていました。けれども実際に歩いてみると、街のあちこちで忘れていた記憶が甦ります。私は昔の面影を掬い上げてみたかったのだと思います。

なかでも印象的だったのは、友達が住んでいた団地の前です。もう撤去されていましたが、そこには以前、噴水形の水飲み場がありました。夏になるとよく十人くらいで集まって、そこを補給所にして、水鉄砲と水風船で撃ち合って遊んでいました。

戦場は公園や通りだけでなく、団地も含まれました。階段の踊り場に隠れて表にいる相手を上から狙い撃ち、反対に表からその踊り場に水風船を投げ込んだり、やりたい放題でした。その頃流行っていたハリウッド映画の影響だと思います。

いま考えると、他の住人に迷惑この上ない行為ですが、不思議と怒られた記憶はありません。それどころか通りがかった知らないおじさんにと応援されたりしました。まだまだおおらかな時代だったのだと思います。

水鉄砲と水風船で撃ち合う。これは任天堂の人気ゲーム「スプラトゥーン」そのものです。スプラトゥーンは4対4のチームに分かれてインクを撃ち合うオンライン対戦型TPSです。WiiUで発売された「1」は151万本、Switchで発売された「2」は261万本を売り上げています。

WiiU版は柄にもなく私もハマり、友人の家にたびたび押しかけて遊ばせてもらいました。ほとんど熱狂と言えるぐらいの入れ込み具合だったのですが、その理由が今になってわかりました。ゲーム内には水鉄砲にあたるメイン武器、水風船にあたるボム、「ヒラメが丘団地」というステージまであります。私は幼い頃の思い出を重ねていたのです。

おそらく開発スタッフも幼い頃、そうして水鉄砲で遊んだ思い出があるのだと思います。オンライン対戦というと普通は戦場が舞台の「殺し合い」で、雰囲気も殺伐としています。しかしスプラトゥーンは「インクの撃ち合い」です。任天堂らしい子供に目を向けたコンセプトです。

マリオカートやポケモンといった人気タイトルも踏まえると、任天堂にはディズニーにおける「魔法」のようなイズムがあるのでしょう。それが人の心を動かし、大ヒットに繋がっています。それは単純なマーケティングでは生まれない発想です。では、どうすればそうした発想力や創造性に繋がれるのでしょうか。

人間の心は複雑さと単純さが同居しています。「自分は本当は何がしたいのか?」「自分はどう生きたいのか?」という自己啓発的な問いかけに答えを見つけるには、感性を磨き、環境を整え、悲しみと向き合わなくてはなりません。また私たちは願望と欲望の綱引きの間で揺れ動き、そして大抵は欲望が勝ります。そうして探求の道はたびたび中断します。

ですから「子供の頃のことを思い出せば万事解決」というほどインスタントではありません。この話をしたところサロンメンバーのTさんは、「今までは子供の時代のことを簡単に思い出せたけれど、今思い出そうとするとすごく疲れそうな気がします」と言いました。

「自分の子供時代を思い出す」といっても、いつ、どこで、何をといった5W1Hだけでは意味がありません。その事実を呼び水にして、自分がどう感じていたかを思い出すのが大切です。それはきっと、よい思い出だけではないはずです。

しかし、悲しみや苦しみ、やるせなさややり切れなさを抑圧すると、その時あった幸せや喜びまで封じ込めてしまいます。良いことだけを思い出す、私たちの心はそこまで都合よくできていません。喜びと悲しみの両方を抱きしめるからこそ、私たちは広がります。

Tさんも「でも、きっと思い出さないといけないという直感もあります」と続けています。願望が優位になり、感性を自覚すると、今までなんで悩んでいたのが馬鹿馬鹿しくなるほど、自分のことがわかるようになります。そして、実はそれが子供の頃からずっと憧れていたもの、ずっと続いていたものだと気づくのです。

「モチベーションを高める方法」といった方法論はあまりにも矮小で、ほとんど何の役にも立ちません。それは現在的な方法の領分ではありません。物事を続けるのに、自分の生き方を貫くのに理油や理屈はいりません。必要なのは記憶です。

 

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