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ホスピタリティやおもてなしはどうすれば生まれるのか?

投稿日:2018年5月29日 更新日:

先日、とある飲食店に友人と行ったら、とんでもない接客を受けました。二人で同じメニューを頼んだのに、15分経っても一人分しか来ません。仕方なく二人で一つの皿をつつきながら、「同じものをもう1つ頼んでるんですが、あとどれくらいかかりますか?」と尋ねたら「確認してまいります」と言われて、さらに10分以上待たされました。

さすがに痺れを切らして「もう帰ろうか」と話していたら、こちらは時間を聞いたはずなのに、その話は一切なく「お待たせしました」と料理を持ってきました。しかも、両方で頼んだアボカドのトッピングはどちらにもありませんでした。

クレーム時の対応が不適切で起こるクレームを「二次クレーム」と言います。今回はそれどころか三次クレーム、四次クレームになるような展開です。私はそういう体験をすると、それを教訓に記事を書くので苦情も言いませんし、お店の名前も明かしません。そもそもあまり腹が立たないタチなので、また食べに行くと思います。

ただ自分が飲食で働いている友人は、「なんでお客さんに迷惑かけているのに、謝りもせずヘラヘラしているんだ」とだいぶご立腹でした。「もう二度とこの店には来ない」と言っていたので、彼と食事をする際は、私もそのお店は候補から外します。こうして商売はリピーターを減らしてしまうのだと思いました。

そのお店は世界的にも有名で価格帯も高く、味については一級品です。とはいえ仕事は料理という商品、配膳というサービスだけで成り立っているわけではありません。そこにホスピタリティやおもてなしの心がなくてはなりません。

私たちは「人のため」に働いています。給料という「お金のため」でもなければ、ビジネスモデルといった「理屈のため」でもありません。なぜなら自分が人間で、相手も人間だからです。給料もビジネスモデルもマニュアルもそれを円滑に進めるためのツールに過ぎません。ですからこれは「私たちはお客さまのために働きます」といった胡散臭いCMのように情に訴える話ではなく、「人間にフォーカスして働くのが本質的」というメカニズムの話です。

私は対面相談をしているとよく、「どうしてそこまで親身になってくれるんですか」と泣きながらお礼を言ってもらえます。でも、それは私がいわゆる「優しい人」といった情に厚いからではありません。オンラインサロンなどを通じて少し付き合うと理解してもらえますが、どちらかというと私は薄情な部類です。でも、だからといって「そんな人だとは思わなかった」と後で落胆されることもありません。私はいつでも私でいます。

「お金のため」や「ビジネスモデルのため」は思惑です。「働けばお金になる」「このビジネスモデルなら成功する」といった「こうすればこうなるんだ」という思惑は頭の中に直線的なロジックを作り上げ、人間という一番大切な要素をスポイルしてしまいます。今回の飲食店の杜撰な接客は、「料理を作り、配膳するのが自分たちの仕事」という意識がスタッフにあるからでしょう。彼らは何かしらのビジネスモデルや、気風を作り上げるマニュアル対応に従っているのかもしれません。

とはいえ、こうした「ビジネスモデルやマニュアルのために働く」のは「お金のために働く」よりもずっとましです。お金のために働くと売上、コスト、利益だけの世界になって、お客さんが数字にしか見えなくなり、接客自体がなくなります。店に入っても店を出ても、ろくに挨拶もない個人経営の飲食店はこのタイプです。当然、こういったお店は不景気です。これでうまくいくのは「無口な頑固親父のうまいラーメン屋」といったキャラクターを確立できた場合だけでしょう。

「人のため」は「お金のため」「ビジネスモデルのため」の上位に位置します。リッツカールトンやディズニーのホスピタリティが注目され、それが日本のおもてなしと関連づけられ、雑誌や書籍、テレビやネットでたびたび特集されています。しかし、それは方法論としては未だ確立されてはいません。なぜなら、マニュアル対応という方法論を超えているからです。

「相手がどう思うか?」の裏側には、必ず「自分がどう思うか?」があります。自分のことがわからなければ、相手のこともわかりません。人間関係は鏡であり、一枚のコインの表と裏です。反対に自分と他人をイコールで捉えられているからこそ、ホスピタリティの土台である「咄嗟の機転」が効くようになります。これは「こうすればこうなる」というロジックだけでは到達できません。自分がどう感じ、何を求めているか、自己啓発の領域が必要になります。

これまでは商品やサービスがメインで、ホスピタリティやおもてなしはプラスアルファだと思われてきました。しかしホスピタリティやおもてなしこそがメインで、商品やサービスはそれを実現する手段にすぎません。「経営の神様」と言われた松下電器の創業者、松下幸之助は「本業が人づくり、家電製品は副業」と言いました。彼は昭和の時代に既にそれを見抜いていたのです。

ですから「人のために働く」といっても、相手のために自分を犠牲にするわけではありません。そんなことをしたら自分を失い、相手が求めているものがわからなくなってしまいます。これまでは「自分のため」と「相手のため」は両立しないと思ってきたかもしれません。しかし、それは幻想です。「人のために働く」を自分と相手を含めた「人」というニュアンスで捉えれば、理屈だけに囚われない自由自在な働きができるようになります。

一度ラグジュアリーホテルに宿泊したり、ホテルラウンジを利用したりして、その接客を受けてみるとよいでしょう。スタッフが誇りを持って働き、それがどれだけ仕事ぶりに反映されているかがよくわかります。地方に住んでいると難しいかもしれませんが、東京や大阪など大都市に出た時に足を運んでみて下さい。それくらいの価値、そして学びがあります。

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