次から次にアイディアが生まれる仕組み

ビジョン

今週の日刊SPAで「成功はひと匙で決まる」という記事を書きました。私たちはつい何か特別な方法を求めてしまうけれど、そんなものはいくら探しても見つからない。本当に大切なのは当たり前の中にある、という内容です。

これを思いついたのは記事中にもある「足湯バケツ」でした。以前、足湯バケツを自宅で使っていた時期があるのですが、電気やガスで温めているわけではないので、目安の15分が経つ頃にはすっかりぬるま湯になってしまいます。私はそれで「あまり役に立たない商品だな」と思っていました。

しかし最近になって「風呂場で足し湯しながら使うのがポイント」というアドバイスを見かけました。バケツに溜めたお湯を使おうとすると冷めてしまうけれど、足し湯しながらなら温かいまま。そのちょっとした一工夫が生み出す違いから、「物事で結果が出るかは、ほんのひと匙で決まる」という話を思いつきました。

この話をある人にしたら、「佐々木さんは一を聞いたら十を知るじゃなくて、五百くらい知りますね」と褒められました。対面相談では、経験のない内容について相談されることがあります。たとえば、まだ結婚の経験すらないのに、離婚について相談が来たりします。「よくそんなこと思いつくね」「よくそこまで考えるね」と言われるレベルでないと、この仕事は務まりません。

では、そういったアイディアや発想や考えはどこから生まれるのでしょうか? それは過去です。ある問題やテーマについて、自分の経験をどれだけ思い出せるかが、アイディアを生み出せるかのポイントになります。

たとえば「結果はひと匙で決まる」ことを示す出来事は足湯バケツに限りません。スクワットもちょっとした姿勢の違いで負荷のかかり方が全く違いますし、料理もちょっとした塩加減で味が変わります。こうした過去の経験に共通するテーマとして、「結果はひと匙で決まる」というアイディアが生まれてきます。

そうした瞬間を人は「閃き」と呼びますが、その表現は比喩ではありません。自分の現在の経験と過去の経験が交わり、「ここが本質だ!」という部分がわかると、頭の中が光っているような感覚があります。経営者や実業家がビジョンを大切にするのもうなずけます。なぜなら、それはそうしたアイディアの光によって展開された「光景」だからです。

あらゆる問題はその場の材料だけで解決できないからこそ、悩みになります。もしその場で解決できるのなら、悩まずに実行しているはずです。お腹が空いて冷蔵庫に何もなかったとしても、コンビニに行けばいいだけなので悩みにはなりません。でも、問題はインスタントなものばかりではありません。その時に発される「どうすればいいんだろう?」という問いかけは、自分の過去について思いを巡らせるためにあるのです。

しかし、現実は往々にしてそうなりません。「どうすればいいんだろう?」と問いかけた時に、自分の過去ではなく、自分以外の他所に向かうからです。そうして「発想法」や「能力開発」など抽象的な話題を長くさまようことになるのです。しかし全ての客観化された手法は、アイディアの土壌となるその人の経験や感性が省かれているので核心に至ることができません。

では、どうすればあるテーマに対して、それに類似する自分の過去をたくさん思い出せるようになるのか。大切なのは「感動」です。日常生活に起きる出来事に対して、「ああ、これはそういうことなのか」「こうなんだなぁ」と感じたことを記録しておきましょう。

ほんの一行二行で構いません。「足湯バケツは溜め置きではなく、足し湯しながら使う」「スクワットは腰の落とし方で負荷が違う」「料理は塩加減で決まる」といったメモを続けているから、共通要素として「ひと匙が大事」ということを思いつきます。その積み重ねです。

メモというのは実に不思議で、記録しておくだけで自然と色々なことを思い出せるようになります。もちろん全てを思い出せるわけではありませんし、せっかく記録したものなので見返してもらって構わないのですが、「記録しよう」という意識が何よりも大切です。

一を聞いて十を知るの「十」は自分の過去です。その過去を現在に置き換えて、「こうじゃないですか」と提案するから、まるでその十がいま現れたように思われるにすぎません。まさに「アイディアとは新しい場所に置かれた古いアイディア」です。

それを百積み重ねれば百に、五百積み重ねれば五百になります。最初のうちは記録できる量も少なく、閃くスピードもゆっくりですが、続ければ続けるほど雪だるま的に増えていきます。「自分の生活から思考や感情を掬い上げる」のはもっとも効果的で、もっとも経済的で、もっとも基本的な自己啓発です。ぜひ実践してみてください。

 

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