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自分らしく生きるコツ。イヤな誘いや頼みは断る。

投稿日:2018年6月23日 更新日:

私はコンサルタントとコーチをする前は、塾講師と家庭教師をしていました。普通、塾講師や家庭教師の仕事といえば「勉強を教えること」だと考えると思います。しかしまだまだ血の気の多かった私は「成績を上げること」と定めて、また実際に結果を出していました。

それまで並みの成績だった生徒を定期テストで学年3位に、偏差値ランキングで県5位の進学校に合格させたこともあります。そうした結果を出すのに必要なのはとてもシンプルで、目標設定ただそれだけです。目標を定めて、それに必要なことに集中し、不要なことを取りのぞけば、いやでも目標に近づいていきます。あとはそれをどれだけ徹底できるかです。

ただその生徒は実力的には定期テストで学年1位、県2番の高校に進学できる可能性を秘めていました。進学先についてはオープンキャンパスを通して生徒自身が選んだ学校なので、何の文句もありません。しかし定期テストの順位に関しては、「一度くらいは一位を取ってみたかった」と心残りにしていました。

では、なぜ一位になれなかったというと、その生徒が「いい人」だったからです。受験の年、彼女は生徒会の役員と部活の部長を兼任していました。しかも自ら望んでではなく、頼みを断りきれずに仕方なく、です。もともとそういう性格だと把握していたので、進級時に「安請け合いはほどほどにするように」とアドバイスしましたが上手くいきませんでした。さすがに家庭教師の立場では学校生活までコントロールできませんし、そうするべきでもないでしょう。

ちなみに学年一位の生徒は、生徒会といった活動には参加していなかったそうです。私も学生時代は定期テストで何度か一位を取ったことがありますが、やはりそういった活動には非協力的でした。学園祭や体育祭といったイベントには協力しても日常的にはノータッチ、それが私なりのバランスの取り方でした。今思えばそうやって自分の時間を確保して、勉強にあてていたのだと思います。

もちろん一概には言えませんが、少なくとも私が受け持った生徒については、明らかにその差が見て取れました。彼女には自分の時間が足りていませんでした。むしろ諸々の活動に時間を削られてさえいました。時間は私たちにとって最も貴重で、最もないがしろにされています。

「いい人」は損しがちです。「いいよ、いいよ」とつい安請け合いをして、後で汲々とします。人間のリソースは有限だからです。時間的にも金銭的にも、できることは限られています。その限られたものを適切に振り分けることで、私たちは自分の人生を望む方向にスライドさせていきます。誰もが「こうありたい」という願いを持ち、「こうしよう」という計画を持っているはずです。

ところが安請け合いは、その計画を台無しにしてしまいます。本当は行きたくないのに、本当はやりたくないのに、誰かに誘われたり頼まれたりすると受け入れてしまう。そうして私たちはどれだけ自分を殺してきたのでしょうか。そして、その分だけ自分の可能性を狭めてきたのです。

もちろん全ての誘いや頼みごとを断る必要はありません。それでは刺激も成長もなくなってしまいます。しかし、誘いや頼みごとを引き受けるのは、自分がそれを「引き受けてもよい」と思ったからです。その都度、イエスとノーを使い分けるのが選択であり、人生です。ノーと断り続けても、イエスと引き受け続けても、人生は歪んでしまいます。

もちろん「いい人」が悪いとは思いません。いい人はその分だけ人に好かれます。私がその生徒に肩入れして教えて、できる限り成績を伸ばしたのも、その人柄がとても好ましいものだったからです。いい人が汲々としていれば、手を貸したくなるのが人情です。

しかし、残念ながら世の中は人情を解さない輩もいます。断らないのをいいことに、「面倒ごとはあいつに押し付けてやれ」という悪い人間もいるのです。またそこまでの悪意を持たずとも、話の流れでついつい私たちは「いい人」にお鉢を回しがちです。それを防ぐにはやはり自衛するしかありません。「NO」を言うのに罪悪感を覚える必要はありません。周りの他の人たちは、自分ができる範囲で協力して、断る時は断っています。それと同じことをするだけです。

後になって親御さんに聞いた話だと、その生徒は夜、泣きながら生徒会の仕事を片付けていたそうです。そんなやりきれない話があっていいのでしょうか。それで「一度は勉強で一番になってみたかった」という思いが潰えていいはずがありません。私が単なる勉学を教えるのをやめて、自己啓発をテーマに仕事を始めたのも、こうした経緯があるからです。勉強や仕事といった括りではカバーできない部分が、人間の心理には存在します。

世間では「どうすれば上手く断れるのか」といったテクニックが語られています。「何かしらの理由をつけて断る」と心理学的に成功しやすい、といった話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、そんなのは馬鹿げた話です。人間の会話はそんな表面的な理屈では変わりません。自分で自分に価値を感じて、自分のことを大切に思っているから、私たちはためにならない誘いや頼みを断ります。そして自分の価値観に裏打ちされた返事は、相手に有無を言わせません。

必要なのは表面的なテクニックではなく、もっと本質的な自分自身に対する理解です。これを無視して、インスタントな方法論に飛びつくからいつまで経っても、満足のいく結果が得られません。もし従来通りのテクニックやノウハウ、方法論で上手くいっているのならかまいません。しかし、それでちっとも改善せずに「何かがおかしいぞ?」と気づいたのなら、「誰でもできる」ではない「自己啓発」についてもっと考えてみてください。

「星をたどる」でお伝えてしているのは、すべて自分らしく生きるための処方箋です。心は曖昧なようでいて、実は厳然たるメカニズムで運行しています。知れば知るほど、理解すれば理解するほど、ますます自分らしく生きられるようになります。またそれによって自分と他人の適切な距離感を掴み、トラブルも収まります。

「自分探し」や「自己啓発」は昔から馬鹿にされる風潮があります。しかし、それこそが自分を知らないが故の愚行です。雑音に惑わされずに、自分らしさや自分のやりたいことに真摯になりましょう。もしあなたが周囲の反応ばかり気にして、自分をないがしろにしてもがき苦しんでいるのなら、もっと楽なやり方、生き方があります。

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