目標には個人差が必要

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自己啓発には目標設定という手法があります。「目標を立てれば、そのために必要な工程を割り出して、あとはそれをこなすだけ」という寸法ですが、実際にやってみると、そんな計画通りに進むことはまずありません。
夏休みの課題を思い出してみてください。「課題が残り30ページで、夏休みはあと6日あるから、毎日5ページずつやれば始業式までに終わる」といった目標と計画がどれだけうまく行ったでしょうか。私たちは仕事やプライベートについて、大人になっても子供の頃とさして変わらない過ちを繰り返しています。
一体なぜ、理屈の上ではそうなるはずのことが、実際にはそうならないのか。それは人生には「個人差」が大きく影響しているからです。私たちは目標設定に、「年収」や「恋人」といった、誰もが欲しがるものを選びがちです。しかし、それでは個人差を踏まえた目標と計画にならず、そのせいで挫折することになります。
単なる「自分の目標」では、誰にでも当てはまるものを選んでしまいかねません。目標設定に必要なのは、「自分の目標」ではなく、「自分だけの目標」です。それが個人差を踏まえた計画と行動をもたらしてくれます。では、どうすれば「自分だけの目標」を見つけられるのか。そのためには、「今までに考えついたことのない閃き」が必要です。
目標を見つけるために時間をかける

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目標を決めるにあたって、「自分は何を求めているのか?」と己に問いかけ、その場でインスタントに答えようとすると、「お金」や「異性」や「健康」といったざっくりとした目標しか出てきません。自分だけの目標を見つけるには、もっと時間をかける必要があります。
人間の心には、自分が求めているものを偶然から探り当てる力があります。自分の目標を探そうとすれば、その瞬間から、今までに聞いたことのなかった話が、テレビや雑誌、街中の広告や友人の話から舞い込んでくるようになります。その偶然をヒントにした、今までに考えついたことのない閃きが「自分だけの目標」になります。
この「今までに考えついたことのない閃きを目標にする」という体験を、私は伊勢神宮に参拝した時に体験しました。私は友人と「自分たちで世界を変えていこう」と考えていて、その壮行式として伊勢神宮に参拝することにしました。すると実際に参拝するまでの一ヶ月間で、今までに聞いたことのない驚くような話を聞く機会に何度も恵まれました。そして、それをきっかけにして、「今までに考えたついたことのない目標」を立てることができました。
その目標とは、「『普通』や『当たり前』を大切にする」というものでした。それまでの私たちは何かスケールの大きいことを成し遂げたくて、普通や当たり前をないがしろにしていました。そのことに伊勢神宮に参拝するまでの一ヶ月間で気づくことができたのです。
この「普通や当たり前を大切にする」という目標は私のコンセプトになり、そのことについて語った書籍を出版することにもなりました。これが「今までに考えついたことのない閃き」を「自分だけの目標」にする効果です。
目標設定の過程が、成長をもたらす

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目標というのは、今の自分では実現できない内容だからこそ目標になります。そして、その実現には成長が必要であり、その成長とは「今まで考えついたことのない目標を立てられるようになること」です。
自分の立てた目標を達成できるか、そしてそのために成長できるかは、「どんな目標を立てられたのか?」という事前の段階で、ある程度決まってしまいます。自分だけの目標を探して、今までに聞いたことない話を聞いて、今まで考えたことのない閃きを得て、それを「自分だけの目標」として定める。すると、自分のなすべきことが自然と浮かんできて、義務感ではなく自らの意志によって行動できるようになります。その結果起きるのが、「目標の達成」です。
もし「年収」「恋人」といったうわべだけの目標で、人生が変わらずに悩んでいるのならば、この「自分だけの目標」を探してみてください。今までになかった変化が起きるはずです。