自分らしく生きる秘訣。人間関係に欠かせない「役割意識」

人間関係, 個性と感性, 役割, 美意識, 顕在意識

「いい人なんだけど、ごめんなさい」は女性が男性の告白を断る常套句です。実際に告白して振られなくても、「いい人なんだけど恋人としては考えられない」という相手の空気を感じ取り、「いい人どまり」で終わってしまう自分に悩む男性はたくさんいます。実際に誰かの恋人になれる人と、いい人どまりで終わる人にはどんな違いがあるのか。それは「役割」です。

私たちの人間関係は、お互いの役割が前提となっています。親と子、先生と生徒、先輩と後輩、上司と部下、年上と年下といった上下関係における役割。友達同士、恋人同士、クラスメイト、チームメイト、同僚といった対等関係における役割。それぞれの役割に相応しい振る舞いが常識や暗黙の了解として求められ、その期待に応じれば受け入れられ、応じなければ拒まれます。

たとえば最初に挙げた恋愛関係に関しても、私は「いい人よりもいい役」とアドバイスしています。恋愛関係では彼氏と彼女、そしてより本質的な男と女という役割が互いに求められています。にもかかわらず「相手に嫌われたくない」「踏み込み過ぎたら嫌がられるんじゃないか」といった気持ちが強いと、表面的な同意や親切に終始してしまい、当たり障りのない「いい人」になってしまいます。

それだと性別の上では男女であったとしても、実際のコミュニケーション上では「男」や「女」という役割の輪郭がぼやけ、恋人候補としての存在感や印象は薄れます。だからその状態で告白しても、「あなたとそういう関係になるのは考えられないので、ごめんなさい」と断られます。それは相手のことが好きとか好きじゃないといった感情とはまた別の、恋愛関係に必要な手順です。

相手がお互いの関係について「男女」として考えたことがなければ、相手もそう答えるしかありません。そして、それは相手に考えさせられなかった自分に落ち度があります。逆に男や女を意識させていれば、そこから相手の脳裏で想像が広がります。そうして自分自身で想像しているからこそ、「私もこの人が好きなのかも」と可能性として選択します。これはほとんど恋愛の奥義ようなものなので、ぜひ覚えて下さい。

役割の重要性は、恋愛に限らずビジネスや家族などすべての人間関係に共通しています。それは良し悪しでは語れない、「世の中とはそういうものだ」という社会のメカニズムです。問題はその役割を他ならぬ自分自身が受け入れらるかどうかです。たとえば役割は「医者と患者」といった職業にも現れますが、自分が医者になりたくて医者になり、患者に医者としての振る舞いを求められ、その期待に応えられれば、自分も相手も幸福でしょう。

しかし本当は医者になんてなりたくなかったのに、親が医者だったり、成績が抜群に良かったりして、「お前は医学部を受けなさい」「お前は医者になりなさい」と押し付けられた役割だと、それが途端に苦痛になったります。医者という役割がどんなに立派で、社会的地位が高く、また金銭的に安定するとしても、嫌なものは嫌だというのが人間です。

以前、実際に医者として働くのが嫌で嫌でたまらず、辞めたばかりの人が私のセミナーに来たことがあります。セミナー後の懇親会で少しだけお話を伺いましたが、医者を辞めたことについて晴れ晴れとした表情で「開放された気分です」と仰っていました。

自然を相手にして一人で田畑を耕し、完全自給自足でもしない限り、私たちは人間関係と役割からは逃れられません。であれば自分が心底から納得できる役割を見つけて、それを通して自分の幸福と社会貢献を両立するのが得策でしょう。だかこらそ「星をたどる」では、終始一貫して「自分の個性や感性に基づき、社会で役割を担う」をテーマにしています。

「自分の好きなことをしよう」「自分のやりたいことをやろう」という耳障りのいい言葉が街中に溢れています。それは確かにその通りなのですが、実際にそうしようとしても、思うように上手くいかないのが大半です。それは自分の個性や感性が、社会でそう振る舞えるほど役割として結晶化していないから。つまり「自分とは何か?」「自分は何をしたいのか?」を形になるほど突き詰めていないからであり、それを突き詰めるために自己啓発はあります。

私の対面相談は3時間で3万円を頂戴しています。それで実際に申し込みがありますし、終わった後は「ありがとうございました」と感謝の言葉を頂いています。ビジネス、仕事、生きがい、恋愛、離婚、家族関係、発達障害など様々な相談をお受けしていますが、そのお一人お一人に私は自己啓発に基づいた「コンサルタント」あるいは「セラピスト」という役割を全うしているつもりです。

しかしそれは私の父からすれば、到底信じられないことです。これは母から聞いた話ですが、父は「なんで金を払って、あいつの話を聞かなくちゃいけないんだ?」と話していたそうです。私は思わず笑ってしまいました。そして、それもまた間違いではありません。なぜなら相談者にとって私は「コンサルタント」「セラピスト」ですが、父にとって私は「子供」だからです。自分の子供にお金を払って、相談する親はいません。

私は誰かにとっては「自己啓発のコンサルタント、セラピスト」ですが、別の誰かにとっては「自分の子供」であり、そしてまた別の誰かにとっては「同じビジョンを共有する仲間」です。そして、その相手によって、私の見せる表情や言動は変わります。それはとても健全な感覚だと思います。

自分の好きなことは何か。自分のやりたいことは何か。自分の役割は何か。後の問いに答えられるほど、あなたの存在やビジョンは実際に社会や相手に認められ、実現可能、持続可能なものになっていきます。すぐに答えが出るほど簡単ではありませんが、じっくりと向き合った分だけ、それは自分の中で揺るがない自信となります。私たちが本当に必要としているのは、この自信ではないでしょうか。

 

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