つい話を盛ってしまう人の心理。改善法は?

食欲、性欲、群欲

職場や学校で誰かと話していて、つい話を盛ってしまう。自分の経歴や実績について、実際よりも誇張して自慢してしまう。見栄を張りたいのか、何なのか。相手と別れた後に「やってしまった」と後悔したことが誰にでもあると思います。

見栄を張ろうとするのは、人間心理にある自然な側面です。私たちには「群欲」という動物的な欲求があります。これは「人と群れたい。その群れの中で一番になりたい」という欲求です。これは食欲や性欲と並ぶ、とても強い欲求です。

経済的にも性的にも、人は選ばれなくてはなりません。お客さんや取引先に選ばれるからお金が手に入ります。異性に選ばれるから結婚できます。いくらこちらが買ってほしい、振り向いてほしいと思っても、向こうがその気にならなければ実現しません。その時、「一番」というのは相手の気を引くアクセサリーになります。

日本で一番高い山は富士山です。これは誰でも知っています。しかし「二番目に高い山は?」と言われても、パッと答えられるのは地理や登山が趣味な人だけでしょう。正解は南アルプスの北岳ですが、それでもまだ富士山のようにイメージが浮かんでこないと思います。一番と二番にはそれくらい差があります。

私たちはこの扱いの違いを本能的に知っていて、だからこそ群れの中で一番になろうとします。学校なら勉強なら数学で一番、英語で一番、スポーツならバスケで一番、サッカーで一番。「ここなら狙えそうだ」という場所を見つけて、そこで努力します。

自分を高める努力するだけなら問題ありませんが、私たちは知恵を持っています。正道ならぬ邪道によって、それを実現しようと考えてしまうのもまた人間です。その邪道の一つが「嘘」です。本当は違うのだけれど、そういうことにして自分の評価を上げようとする。それがつい話を盛ってしまう、誇張してしまうメカニズムになります。

嘘をつくのは必ずしも悪いことではありません。誰だって小さな嘘をついています。自分の嘘もその範囲であれば、誰も問題視しませんし、そもそも嘘だと気づきません。しかし、物事には限度があります。その限度を超えると、「あ、この人、嘘ついてるな」と相手も気づきます。そして自分でも「話を盛ってしまった」と後悔します。

では、どうすればこうした「話を盛る癖」を直せるのでしょうか。まずは、その衝動が群欲から生まれるものだと認識しましょう。どんな変化も認識から生まれます。自分がどんな状況で群欲を刺激され、その欲求を発散するために、話を盛ってまで見栄を張ろうとするのか。自分の行動パターンがわかると、冷静に振る舞えるようになります。

後悔と反省は似ているようで異なります。私たちは後悔する時、「どうしてなんだろう」と問いかけます。しかし、大抵はそこに答えを出さないままで終わってしまいます。だから後悔だけでは何も変わりません。そこから一歩踏み出して自分なりの答えを見つければ、それは後悔ではなく反省になります。自分に問いかけるだけでなく、自分に答えを見つける。この反省によって、人間は成長します。

嘘をつくのは良くないから、嘘をつかないようにする。話も盛ってもいずれバレるから、話を盛らないようにする。自分の行動について、その行動と同じレベルで戒めても何の効き目もありません。物事にはすべて理由があり、それは根源や本質に見い出さねばなりません。

自分の衝動に「群欲」があると分かれば、他の欲求にも気づけるようになります。群欲は動物的な欲求ですが、私たちは真善美を求める美意識的な欲求も合わせて持っています。動物的欲求は散発的で、その場限りのことしか考えません。一方、美意識的欲求には継続的で、一貫性があります。

「自分はつまらない嘘をついてまで、見栄を張ろうとは思わない」

動物的欲求である群欲を認識すれば、こうした美意識的な欲求にも同時に気づけるようになります。そもそも話を盛れば盛るほど、どんどん辻褄が合わなくなります。すると最初のうちは良くても、だんだん「ああ、またこいつ吹かしてるよ」と周囲も冷めてきます。自分の評価を上げたかったのに、それでは逆効果です。

美意識的欲求には一貫性があり、動物的欲求はその場限り。自分の心の動きは、そのまま周囲の評価に繋がり、人生に忠実に反映されていきます。これが人間の心の根源であり、本質です。にもかかわらず、私たちは自分の心についてほとんど何も知りません。

「どうして自分はこうなんだろう」と悩んだら、自分の心について学び始めるタイミングが来ています。これは心理学の本を読み漁ってもわかりません。答えは外側には見つからないのです。それは自分の中に、過去の記憶にあります。外側にあるのは、その答えに辿り着くためのヒントに過ぎません。

素晴らしいものに触れた時、人はなぜ感動できるのでしょう。それはその素晴らしさと同じものが、自分の心にあるからです。これに気づければ、わざわざ話を盛ったり、誇張したりする必要がないことに気づきます。それどころか、相手の素晴らしさに気づき、褒めることさえできるようになります。「自分が、自分が」という態度とは正反対です。

しかし実はこの方が人間関係もスムーズになり、自分の評価も上がります。なぜ周りの評価を上げているのに、自分の評価も上がるのか。それは人間関係には競争だけでなく、協調という側面があるからです。人に勝ろうとするばかりが能ではありません。得意分野で一番を目指すのは素晴らしいことですが、いつも周りに勝とうとする必要などないのです。

 

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