自己啓発のコツ 言霊の力を意識する

バイアスの解除

日本は言霊の国と言われています。言霊は「言葉にすることで、それが現実になる」という思想です。受験生が合格祈願を、妊婦が安産祈願を絵馬に書いて、神社に奉納するのはその現れです。

言葉を大切にする風習は日本に限らず、どこにでもあります。たとえば西洋流の自己啓発ではアファメーションがよく取り上げられています。「私は毎日あらゆる面でますます良くなる」というエミール・クーエの自己暗示などは聞いたことがあると思います。

言葉は本当に現実になるのでしょうか。私はなると考えています。ただ、それは良いことばかりとは限りません。

私のクライアントさんは一時期、頻繁に「死にたい」と漏らしていたそうです。それからしばらくして車でガードレールに突っこみ、大破するほどの自損事故を引き起こしてしまいました。

これが言霊の怖さです。言葉は自分が込めようとした意味だけでなく、一般常識として捉えている部分まで働きだします。「死にたい」というのは辛さの表現ですが、「死ぬ」という現象まで引き起こしかねないということです。

人間の心にはいくつもの安全装置がかけられています。口に出したからといって、すぐにその通りになるわけではありません。一歩間違えば死んでいたかもしれない自損事故で無傷だったのは「あんまり死ぬ死ぬ言うな」という警告だったと考えられます。

実際にそのクライアントさんも、「死にたいなんてもう言うな」と諭されたように感じ、「まだまだ先に進まなくてはいけない」と思ったそうです。

言葉は便利ですが、その影響は思わぬところで、思わぬ形で現れてきます。どうせなら自分にとってポジティブな言葉を使うようにした方が人生も好転します。

大切なのは「自分にとって」という部分です。本当はぜんぜん大丈夫じゃないのに「大丈夫」というのは強がりであり、自分を余計に苦しめてしまうだけです。また弱音を吐かない、というのも良くありません。それは我慢であり、強がりと同じく自分を苦しめる結果になります。

大切なのは自分の心を見つめなおすことです。私たちは普段、自分の話す言葉に対してあまりにも無自覚です。ネガティブな言葉にしろポジティブな言葉にしろ注意深く観察して、初めてそこに込めた自分の気持ちを理解できるようになります。

個人に対して世界はあまりにも膨大です。自分にとって良いもの、自分の幸せに繋がる選択はわずかしかありません。他の人には良くても、自分にとってはそうではない場合はいくらでもあります。

だからこそ、物事を引き寄せる言葉には注意を払わなくてはなりません。「この言葉を繰り返していれば誰でも幸せになる」なんてそんな魔法はありません。ぜひあなただけの言葉で、あなただけの幸せを作り上げてください。すべての自己啓発はそのお手伝いです。

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